インド女子旅大特集 その1- 女子の心得7か条

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Girls’ India 女子よインドを旅しよう


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新年あけましておめでとうございます!

アンジャリただいまインドにきております。毎日が楽しすぎて充実しすぎて更新が滞っておりました。たいへん申し訳ありません!

私が学生だった90年代後半、リュックを背負ってビンボー旅行をするバックパッカー界では「インドにひとり旅するような女子はみんなブサイクで性格が悪い」などという定説がまことしやかに囁かれていました。嘘か真か、誰にもわかりませんけれども。自分をふりかえってみると、いつも小汚ない出で立ちであちこちでインド人とボッたボラれたの喧嘩を繰り広げ、ま、確かにブサイクで性格はあまり褒められたものではなかったような気もします。

時代は変わり、インドも変わり、いま、ビンボーすぎない旅行者としてインドを訪れると、あの定説はなんだったのかというくらい、若年中年熟年の可愛い女子旅行者がたくさんいます。インドを愛する者としては、こうやって「普通の」日本人女性がインドを訪れてくれることはたいへん喜ばしいことです。

しかしながら、そこはやはりインド。ちょっと気軽にカレーを食べに、というわけにもいかないハードルの高さが多少はあります。女性の身に降りかかる恐ろしいニュースもちらほら聞きます。大事な娘さんがインドに行くなどと聞いたら心配する親御さんもいらっしゃるでしょう。私の両親もいまだに心配します。

そんなわけで、これからしばらく、インド女子旅大特集をいたします! インドを旅する女性はどんな人たちなのか? なにを見て、なにを食べて、どんなことをしているのか?

記念すべき第1回は、まずはこれ。安全なインド女子旅のための心得を7か条にまとめてみました。例外、異論反論ももちろんあるという前提で話を進めます。

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■ 心得第一条・一番大事なのは「いのち」を守ること!

インドに限りません。どこにいても、なにをしても、一番大事なのは、いったん家を出たらまた無事に家に帰ることです。パスポートもお金もなくなったとしても、そりゃまあ大事には違いありませんしその後の手続きはたいへんですが、そんなものはたいしたことはありません。

「インドって危険なんでしょう?」とよく聞かれるその「危険度」を、私の個人的な感想で恐縮ですが、アジア、ヨーロッパ、アフリカ各国と比べてみましょう。黙って立っていても真昼間から強盗が襲ってくるのをレベル10、真夜中に女性がひとりで問題なく歩け、落とした財布がそのまま戻ってくる日本をレベル1としたら、インドはズバリ、全般にレベル3くらいです。

外国人が訪れるような大きな都市で、強盗があちらから積極的に襲ってくることはほぼありません。観光地や都会、中長距離列車内でのスリ、置き引きはあります。ただ、こちらがある程度の防御をしていれば、ものすごく積極的に奪っていくというほどの強引さはありません。私はいつも携帯と財布にチェーンと鈴をつけ、バッグや上着に固定しています。

これがレベル5以上の国や地域になると、そのチェーンを切ってでも奪っていくか、集団で襲い、身ぐるみ剥いでいきます。インドのスリやドロボーさんたちはチェーンがあるというだけでだいたいはやる気をなくしますのでこういった防御は有効です。鈴は携帯や財布が動くたびに音がなりますので、お守り代わりではありますが多少は有効かと思います。特に中長距離列車で移動する場合は必ずチェーンで荷物を固定するようにして下さい。デリーからタージマハルがあるアーグラーまでのような外国人が多く乗るような路線はおかしな輩もぼちぼち出没します。

二束三文のものを高額で売りつけるような、いわゆる「ぼったくり」については、アジアや中東など正札がない商習慣の地域の広範囲にあります。ですがこの口先ひとつでお金を出させる行為は犯罪ではなくあくまでも「ビジネスである」という位置づけです。

■ 心得第二条・人を簡単に信用しないこと!

特に日本語堪能なインド人には注意です。なぜそこまで日本語がうまくなったか考えてみてください。すこしくらい親切にされたからといって、あるいは数日間すごして悪くなかったからといって、その人を信用してはいけません。顔見知りになって信用させてから犯罪に持ち込むケースも多くみられます。異国であちらから近づいてくる人は、なぜ自分に興味があるのかをよーく考えねばなりません。

旅行者である日本人女性に積極的に近づいてくるインド人は自分の得になることしかしません。純粋に外国人に興味があるという動機もなかにはあるでしょうが、一にお金、二に身体的な交渉、三に日本人と知り合いであるというステイタス、これらが目的であることが大半です。自分はそんなに若くないし大丈夫、という考えもいったん捨てたほうがよいです。けっこうな年齢の外国人女性が若いインド人にひっかけられ、騙されているとも気づかずにひたすら痛々しい道を辿っているのを何度もみました。

なかには本当に信用に足る、友人になれるインド人ももちろんたくさんいます。しかし一介の旅行者として訪れ短い期間にポッと出会った相手が本当にそういう相手なのかを見極めるには長い時間がかかります。今日昨日の相手に気を許してはなりません。まっとうなインド人は、こちらと同じようにこちらのことを警戒しますし、最初から無条件にフレンドリーということはありません。こちらの出方をみて、すこしずつ距離を縮めていきます。

私がインドで出会って友人と呼べるまでの関係になった相手は、そうなるまでに何年も費やしています。日本人もそうですが、インド人も表と裏の顔があります。外国人にはとても穏やかで感じのよい笑顔を見せる人が、裏で例えば自分の使用人に対してはまったく違った横柄な態度をとっていたりすることもよくあります。階級社会ですので使用人にも感じがいいということは稀ですが、きちんとした人は、自分より下の人間に対しても人間としての尊厳を損なわない扱い方をします。そのインド人がどんな人物かを見るには、ドライバーや掃除人や小間使いや、そういった、その人のために働く人間をどう扱っているかをよく観察するとよいと思います。

もちろん、あちらもこちらを観察していますので、親しくなりたいのであれば、先方の信用に足る言動をとらねばなりません。特に女性ひとり旅の場合、インド人にとっては外国をひとりで旅行する女性というのはなかなか理解しづらいことが多いです。人格や品性を疑われないよう、念には念を入れて慎重に行動するようにしてください。

人前での飲酒や喫煙は厳禁です。外国人が多かったりと、仮にそれらが許容されているような場であっても、ぐびぐびお酒を飲んでがんがん煙草を吸っているのを見たら、そういう女性なのだと受け取られます。西洋人よりもアジア人に対しての見方のほうが厳しいように私は感じます。西洋人に対しては心理的な距離がかなりあり、彼らがなにをしていようが無関心だったりしますが、日本人に対しては同じアジア人という意識でより厳しい目になるようです。

とはいえ、顔見知りになって多少は親しくしてもいいかな、という相手もいると思います。ホテルの前の土産物売りとか、毎日いく食堂の親父さんとか、何度かお世話になったタクシーやオートリクシャのドライバーさんとか。フレンドリーに接してよいと思います。ただし、心身ともに、そして金銭面で大きな損をしないように、気を緩めきってはいけません。

また残念ながら同じ日本人が旅行者の日本人を騙すというケースもあるようなので、日本人だからという理由だけで相手を信用してはなりません。その日本人はインドでなにをしているのか、どのように生計を立てているのか、そのあたりがはっきりわかってから判断するようにしてください。

■ 心得第三条・暗くなってからの外出は足を確保していくこと!

夜、出かける用事もあるかもしれません。映画を観にいくにしても、帰りが暗くなる場合もあるでしょう。歩いていける距離で賑やかな大通りしか通らない、あるいはどこをどのように通って帰るか100%の自信をもって知っている場合を除いて、必ず帰りの車なりタクシーなりを確保してから出かけてください。暗くなってから流しのオートリクシャ(三輪タクシー)やタクシーを拾うのはトラブル発生のリスクを高めます。

インドは都会であっても、日本の都会のように真夜中でも煌々と明かりがともっているということはありません。大通りであっても暗いことが多いです。暗くて周りの様子や人の表情がよく見えないという状態は、安全確保の判断基準がひとつ少ないということを肝に銘じてください。

■ 心得第四条・むやみにニコニコしないこと!

日本人女性はほんとうに感じがよいのです。いつもニコニコ、そしてフレンドリー。しかしこれは大きな誤解を生むことも多いです。相手がどのような階級なのかにもよりますが、都会を離れれば特に、インド人はぜったいに自分が属するコミュニティを持っています。そのコミュニティ内では女性に対してけっしてできないことを、外国人なら許されるのではないかと勘違いする輩がたくさんいます。

インドの女性は、一歩家の外に出るとたいがい仏頂面をしています。ニコニコしながら道を歩いている女性はいません。いたとしたら、それはなにかそうすべき理由と目的があります。たとえば、男性に媚びてお金をもらうような生業であったり。

インド女性も、こちらが人畜無害とわかるまではけっして笑顔を見せてはくれません。よその人間に対しむやみやたらとニコニコしないという不文律のもと育ってきているからです。その代わり、いったん気を許してくれたあとは輝く笑顔をみせてくれたりします。日本人は「相手に失礼にならないように」ということを第一に育ちますので、ついついニコニコしてしまいます。仏頂面で人に接するというのは抵抗があるかとは思いますが、インド的な不文律に従い、徹底したツンデレを真似したほうが無用なトラブルを招かずに済むと思われます。

ただし、あくまでも横柄でない仏頂面です。感じ悪く態度悪く接していいということではありません、もちろん。

■ 心得第五条・判断が必要なときは相手の目を見ること!

たとえばオートリクシャやタクシーを拾うとき。たとえば観光地でガイドを雇うとき。その目的に対し相手が信用できるかは、顔、そして目を見ます。日本人の平らな顔だと分かりづらかったりしますが、目鼻立ちのはっきりしたインド人の場合、人の良し悪しは顔に出ます。特に観光地では複数の人がいっぺんに声をかけてきたりしますので、慌てず騒がず、その人たちの顔をよく見て、この人ならいいかなという「人さばき」をします。強引な相手はまず「No!」です。ドライバーの場合、どこかおどおどした目をしている相手もダメです(ろくに道を知らなかったりします)。

私自身は、ほどよく自分をアピールできて、かつ、利発そうな目をした若者を選ぶ傾向があります。ある程度年を食った相手は自分のペースに巻き込みたがってやりづらいし、若すぎても、ものを知らなくて使えなかったりします。

この「人さばき」のスキルは、インドに限らず人生全般に広く役に立つので、ぜひインドで鍛えてみてください。

■ 心得第六条・わきまえた服装を心がけること!

きょうび、デリーやムンバイなどの都会では、ノースリーブにミニスカートといった洋装のインド女性もわんさかいます。しかし、外国人としてインドを旅行させてもらうにあたっては、コンサバにいったほうがよいです。わきまえた服装というものが重要です。

二の腕が露出したり、太ももまで露出するような服装はいけません。短すぎない袖のトップス、足首まで隠れるような透けないボトムス、そしてできればいつでも胸元を覆うことができるショールやスカーフを一枚。

インド女性のサリー姿は盛大に脇腹が露出します。しかし、胸元、腕、足の露出には厳しいのです。人ごみでムンズと胸やお尻を掴んできたり、すれ違いざまに偶然を装って触ってきたりする痴漢もいます。とにかく理由を与えないことです。痴漢に遭い抗議しても、そんなに露出しているお前が悪い、といわれたりします。腹が立つところではありますが、露出が多いと軽く見られることも多いのが現実です。このあたりは日本よりはるかにシビアです。

また、胸元をスカーフやショールで覆うのは「きちんとした」服装の条件となります。ずっと巻いているのではないにしろ、寺院など神聖な場所に入るときや目上の人に会うときは、首にグルグル巻きではなく、前からフワッとかけて胸元全体を覆った状態でいるようにしてください。

■ 心得第七条・いつでも全力ダッシュができる靴を履くこと!

ヒールはおすすめしません。天災、人災、いつどこでなにがあるかわかりません。インドは地震もそこそこある国です。そして国内外の複数の要因からテロの可能性というものを否定しきれない国でもあります。テロに対しては国を挙げて取り組んでおり、高級ホテル、ショッピングセンターや映画館、駅、地下鉄といった施設に入る場合は必ず手荷物検査とボディチェックがあります。ここ数年は外国人がいくような場所での目立ったテロは起きていませんが、用心に越したことはありません。

テロではなくても、デモや暴動などが起きることが多い国でもあります。万が一そんな非常事態に巻き込まれてしまったときは、可及的速やかにその場を立ち去るしかありません。そしてその場合、いかに素早く行動できるかが肝になります。

その靴を履いて全力ダッシュで逃げられるか? これを基準に靴を選んでください。

私自身は、厚底で足首がしっかり固定できるサンダルを履いていることが多いです。街中も足場が悪いことが多いので安定感も大事なのですが、汚水の水たまりや牛の糞や諸々が直に足につかないよう、すこし底に厚さがある履物をおすすめします。パカパカしていると走りづらいので、足首のストラップはあったほうがよいです。

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いかがでしたでしょうか? やっぱりハードルが高いですか? 思ったより大丈夫そうでしょうか? インドを旅行してみようという女性はチャレンジ精神が旺盛なのではないかと想像しますので、むしろ「たったこれだけ?」と拍子抜けしたかもしれません。

第一条で述べた危険度レベル3という位置づけの根拠は、「危険もあることはあるが、ある程度気をつけていれば回避は可能」という点にあります。そしてこれらの心得は、インド以外の国にもあてはまるのではないかなあと私は思っています。

どれだけ気をつけたとしても、トラブルに遭うときは遭います。避けられない事象というものは確かにあります。けれど、無防備でいたのか、備えていたのかで、事後の心の整理のつけかたに大きな違いがでます。

この世に100%の安全はありません。自宅に引きこもって一歩も出なかったとしても天災が襲うこともあるでしょう。

危険にはいろいろな危険があります。インドを旅する場合、実際になにがどのように「危険」なのか、どう備えたらいいのか、そんなことを知るきっかけになれたら幸いです。

次回はインド女子旅のリアルレポートをお届けします。お楽しみに!

冒頭の写真: デリーのおしゃれさん御用達カーン・マーケット(Khan Market)の宝石店にて。Bajirao Mastaniの公式ジュエリーを販売しているとのこと。ちなみに一点100万円超えというため息しか出ない金額設定。看板前でくつろぐお兄さんとおじさんがキュートでした(笑)

投稿者: アンジャリ(Anjali)

アンジャリ(Anjali)

Masala Press代表・印流楽しいこと案内人。神奈川県茅ヶ崎市生まれ。東京外国語大学インドネシア語科卒。学生だった1997年にバックパッカーとして単身インドを訪れ3ヶ月を各地で過ごす。以後、インドの舞踊と映画に心酔。ガイドブックなどのライターを経て旅行会社に就職、インド専門添乗員を務めるも、2001年からはインドとロンドンを拠点に放浪生活を送る。2006年に本帰国、外資系証券会社に再就職、10年間の会社員生活を経て、現在、インド映画の印流ブームを興すべく奮闘中。