【本日から経堂にて】持ち帰れるインド India in Tokyo – あの日の街角のたらい飯

2016年7月1日(金)。イスラーム諸国では1ヶ月に亘る断食月ラマダンがあと数日で開けようとしていていました。ラマダン明けはイドゥル・フィトリ(表記法は多数あり)といい、イスラームの世界では新しい暦の始まりとなります。つまりあの日は、日本でいうならばさしずめ暮れも押し迫った仕事納めの12月28日といでもいった日どりでした。

その数日前、編集者兼カメラマンの古い友人と会ったとき、某ガイドブックの取材でバングラデシュに行くと聞きました。しょっちゅう海外取材で世界中を飛び回っている友人です。バングラデシュといえばインドの北にあるインドとは繋がりの深いイスラームの国で、私も一度だけ訪れたことがあります。みな穏やかで親日家が多い国という印象ですし、友人も旅慣れたものなので、「そうなんだ、いってらっしゃい」としか返さなかったのですが。

彼の出発は、2016年7月1日(金)。イドゥル・フィトリ目前の夜です。就寝前のひととき、バングラデシュの首都ダッカのレストランでテロ事件がおき、日本人の安否が不明という速報が目に入りました。

もしや居合わせているのではないかとすぐに友人に連絡をすると、友人はまだ乗継地の空港におり、インターネットニュースでテロ事件のことを見たところで、ダッカ行きの乗継便は予定通りもうすぐ出発するところだ、といいます。この時点ではまだ詳しい情報がなかったのもあり、もしかしたら入国できないかもね、などといいながら友人は機上の人になりました。

世界中に衝撃的なニュースが流れている真っ只中、バングラデシュはとくに入国制限をするでもなく、友人は普通にダッカの街中にはいりました。

テロ事件の直後なので、本来ならば当然、ガイドブックの取材どころではありません。一夜明けて依頼元からも取材中止で即帰国するようにという指示がきたそうですが、テロ事件の余波で出国する外国人が殺到し、今度は出国便がなかなかとれません。日本のメディアもたくさん現地入りしており、ニュースでは恐ろしい事件の様子がさかんに報道されていました。バングラデシュを知らずにニュースだけを見ていたら、なんて恐ろしい国なんだろう、一刻も早く離れたほうがいい、と思ったに違いありません。

その晩、友人はFacebookにダッカの街の様子を投稿しました。

取材中止で出国便探し以外に用事がなくなってしまった友人は、事件があった同じ町内で、ムスリムのおじさんたちとイフタール(ラマダン中の日が沈んだあとの食事)を食べていました。世界中のメディアが凄惨な事件を伝えるその現場から目と鼻の先で、友人は地元の人たちと同じたらいの飯を喰らっていたわけです。もちろんお金なんてとられていません。バングラデシュではありませんが、ラマダン中のイフタールどきに歩いていて、通りかかっただけなのに「とにかく食っていけ」と誘われたことが私もあります。イスラームの人々は概して旅行者には過剰なくらいに親切ですし、女性のひとり旅なんてそれはもうお節介のフルコースを焼いてくれます(もちろん国や地域にもよります)。

友人はたまたま居合わせたということで日本のメディアの取材を受けたそうですが、求められる緊迫感のないインタビューだったのか、放映されることはありませんでした。ほんとうに、ほんとうに、残念なことです。伝えるべきは、一点だけではないでしょうに。


さて、そんな友人、松岡宏大氏が本日から3日間、東京は経堂にて「持ち帰れるインド India in Tokyo」というイベントを主催します。とぼけた古物や緻密な工芸品の収集家でもある松岡氏が、そのインドのモノ愛をまとめた著書の出版記念として、同じ匂いが立ち込める愉快なお仲間の面々と開催するそうですよ。

プレミアムフライデーの本日。いつもより早くお仕事を終えられる方、いかがでしょうか。もちろん週末も盛りだくさんなようです。詳細はFacebookページをご参照ください。

持ち帰りたいインド: KAILASとめぐる雑貨と暮らしの旅 単行本 – 2016/5/12
松岡 宏大 (著), 野瀬 奈津子 (著)

公式Facebook Pageのご案内です。

?「持ち帰れるインド India in Tokyo」?

東京・経堂にちいさなインドが3日間だけやってきます。

2016年5月に出版された『持ち帰りたいインド』(誠文堂新光社)の著者KAILASと、本書にも登場する「砂の岬」&「Rungta」がみんなでインドを持ち寄る、おまつり気分の3日間です。

私たちの大好きな美しいインドの風景を、モノや食、おしゃべりを通してゆるりと楽しんでいただければうれしいです。

『持ち帰りたいインド』にも登場した、インドのアンティークやハンドクラフトがじゃーんと並ぶインドマーケットや、
カレーの名店「砂の岬」も1日限りのケータリングイベントにやってきます!
本を読んだ方も、これからという方も(本も販売します)、インド好きな方も、インドはまだこれからという方も、ぜひいらしてください。

25日は「砂の岬」の軽食+「KAILAS」の旅のトークイベントを開催予定。
他にもアーユルヴェーダのセルフケアなどスペシャルなイベントを企画中です。
※イベントの詳細&予約受付は近日中にお知らせします!

?日時:2月24(金)・25(土)・26(日)
11:00〜19:00
※25日はインドマーケット18:00まで。
18時よりトークイベント開催予定。

?場所 : Hand Crafts & Antiques
Rungta
世田谷区経堂5-31-6
03-6413-7421


投稿者: アンジャリ(Anjali)

アンジャリ(Anjali)
Masala Press代表・印流楽しいこと案内人。神奈川県茅ヶ崎市生まれ。東京外国語大学インドネシア語科卒。学生だった1997年にバックパッカーとして単身インドを訪れ3ヶ月を各地で過ごす。以後、インドの舞踊と映画に心酔。ガイドブックなどのライターを経て旅行会社に就職、インド専門添乗員を務めるも、2001年からはインドとロンドンを拠点に放浪生活を送る。2006年に本帰国、外資系証券会社に再就職、10年間の会社員生活を経て、現在、インド映画の印流ブームを興すべく奮闘中。