ボリウッドミュージカルBeyond Bollywood鑑賞記

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Girls’ India 女子よインドを旅しよう


デリーに行ったら必ず立ち寄る場所、それは近郊グルガオンにあるキングダム・オブ・ドリームズ(Kingdom of Dreams)。ボリウッドのテーマパークともいえるインド映画好きにはたまらない場所です。

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このキングダム・オブ・ドリームズにあるノータンキ・マハール(Nautanki Mahal)という劇場では、現在3種類のミュージカルが日替わりで上演されています。863席という比較的小規模な劇場ながら、音響、正面・両側にあるスクリーンに映される映像と実際のセットの融合による特殊効果、エアリアル(空中演技)を標準装備した演出など、インド国内随一のスペックを誇ります。豪華な内装も一見の価値があります。

ノータンキ・マハル劇場の外観。夜のライトアップも、昼の優美な姿もどちらも素敵
客席。両サイドに大きなスクリーンがあり、舞台と同時進行で映像が映し出されます。上演中は撮影厳禁、見つかると即退場になるのでくれぐれもご注意を
劇場のホール。写真を撮りたくなる場所がそこここに。

さて、そんなキングダム・オブ・ドリームズにて、2016年11月に封切られたばかりの“ビヨンド・ボリウッド(Beyond Bollywood)”を2017年1月に鑑賞してきました。2015年から欧米各地で上演されてきたミュージカルがついに本家インドで上演、またキングダム・オブ・ドリームズでは、長年ヒットしてきた”ザングーラ ジプシーの王子 Zangoora -The Gypsy Prince-“から6年ぶりの新作ということで話題になりました。

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ストーリー

宮廷舞踊カタックの伝説の踊り子を母に持つシェイリー(Shaily)は、自身もダンサーであるが、どうしても母を超えることができない。

亡き母が出演していたドイツ・ミュンヘンの劇場ザ・グレート・インディアン・シアターは今や落ちぶれてしまった。この劇場を、インドの伝統を伝える場として再生することが母の夢だった。

支配人に閉館の期限を突きつけられたシェイリーは、出会った振付師ラガーヴ(Raghav)とともにインドへ旅立つ。

母の故郷インドでシェイリーが見たのは、インドが誇る古典舞踊の数々、伝統的な祭り、沸き立つ色彩、心を揺さぶる音楽、そして、踊ることへの情熱……。

さて、シェイリーは母を越えて、母の夢をつなぐことができるのだろうか?

みどころ

ボリウッド映画ファンにはたまらない選曲がこれでもか! と続くのもみどころですが、なんといっても本作は、インドを知らない外国人が、インドの舞踊や文化をひと通り体験できるという、「ザ・インド丸ごとダイジェスト決定版」とでもいえそうな詰め込み具合が一番の魅力です。

総勢45名のダンサーが一同に会して群舞を盛り上げ、あのインド映画さながらのダンスシーンがライブで繰り広げられます。

舞踊に関しては、冒頭から南インドの古典舞踊バラタナティアムをフィーチャーしたダンスに始まり、舞踊の神様・踊るシヴァ神の巨大な像が出てきたり宮廷舞踊カタックを一曲魅せる演出があったり、砂漠地方の民族舞踊ガルバダンディヤ、パンジャーブ地方の民族舞踊バングラなども出てきます。

また、商業都市ムンバイの商売の神様ガネーシャ祭、西インド・東インドのクリシュナ生誕祭、ベンガル地方のカーリー女神祭、春の訪れを祝うホーリー祭など、お祭り関係も盛りだくさん。

エアリアル(空中演技)では、振付師ラガーヴ役の俳優が、命綱なし、布だけで身体を支えての演技を披露します。みごとのひと言に尽きます。

途中でムキムキの肉体美を見せつけながら男性ダンサーが突如、1982年の洋楽ヒット”It’s Rainy Men”を踊り出したり、ホーリー祭りにつきもののバングラッシー(何かは検索してみてくださいね♪)の屋台で、「これはアムリタ(インド神話に出てくる不老の薬)だよ」と言ってみたり、「おっとその500ルピー旧札は使えないぞ、ATMに並んで新札を手に入れないと! This country needs changes(この国は変化/お釣りが必要だ)」など、2016年11月に突如廃止された高額紙幣問題を揶揄してみたりと、コメディ要素もたくさんありミュージカルシーン以外にも楽しめました。

インド的ミュージカル

キングダム・オブ・ドリームズは、ブロードウェイなどに慣れているとやや個性が光りすぎるといいましょうか、群舞があまり揃っていなかったり、群舞なのにひと際輝いてしまっている脇役ダンサーがいたりと、鉄板のインドらしさを味わえるミュージカルといえます。それが不服かというとそういうわけでもなく、ステージングなども総合的にみるとひじょうに完成度が高いと思います。バラタナティアムなどの古典舞踊は専門の訓練を受けていないと普通のダンサーはなかなか再現できないので、そのあたりのなんちゃってぶりには目をつぶります。



キングダム・オブ・ドリームズへの行き方

送迎車。台数が少ないがうまく捕まればメトロ駅まで無料で乗せてくれる
エントランス近くの象の近くに送迎車のピックアップポイントがある

デリーメトロのイエローラインIFFCO CHOWK駅から約800メートル。オートリキシャ、サイクルリキシャなどで行けます。明るい時間帯で道が分かれば徒歩も可能。

オートリキシャは50ルピー程度、サイクルリキシャは30ルピー程度(外国人料金です、あまり値切らないでいただけるといいかと)。IFFCO CHOWK駅まではデリーの中心部から約1時間。

女性が単独で行く場合は、復路を考えると平日14:30開演、日曜日11:30開演の回が無難です。夜の回の場合は、行きはメトロ、帰りはUberなどのタクシーアプリでタクシーを呼んでもよいでしょう。キングダムからメトロ駅までの送迎車も往復しているので、うまく捕まれば帰りもメトロでよいと思います。ホテルから往復の車を手配するのがお金がかかりますが一番安心ですね。

空港へは45分程度で行けるので、ホテルをチェックアウトしてチャーターしたタクシーで昼の回に行き、終演後、待たせていたタクシーで空港に向かい帰国の夜行便に搭乗するというスケジュールもよくやります。国内線乗り継ぎで朝デリーにつき、同日の夜行便に乗る場合も、荷物は日本までスルーの預け荷物とし、空港を中抜けしてキングダムに行くのも、なかなかよいプランです(国際線は出国に時間がかかるので乗り遅れにはくれぐれもご注意を。3時間前には空港に着いているように!)。


住所:Great Indian Nautanki Pvt. Ltd.
Auditorium Complex, Sector 29, Gurgaon – 122001. Haryana, India
電話:+91 124-4528000
月曜定休


チケットのとりかた

料金は平日と週末で異なり、場所によって1000ルピー台から4000ルピー台まで選べます。ステージから程よく離れた列が高く、一番近い列及び後方が安くなっています。劇中、ダンサーが客席に降りてきて観客と一緒に踊る演出があり、そこで一緒に踊りたい場合は前列がよいでしょう。

チケットは旅行代理店で手配するほか、自分で公式サイトや「ぴあ」のようなチケット予約サイトからオンライン決済してEチケットをとることもできます。

キングダム・オブ・ドリームズ 公式サイト
Book My Show(チケット予約サイト)*会員登録が必要、予約手数料が加算されます

このオンライン予約は、英語サイトですし、決済画面に進んでからインドならではのシステムダウンをくらったりと、なかなかハードルが高いところではありますが、当日チケットも予約できるので、突然思い立っても予約できるのが便利です。ちなみに10日以上先のチケットは”Sold Out”と記載されて購入できません。

挿入歌のセットリスト

すべてを把握するにはまだまだ修行が足りないのですが、分かった曲を下記に挙げておきます。全編にわたってミュージカルなので、これはほんの一部。お伝えしきれないのが残念! もう1回観て全曲制覇したいところです。

冒頭から”O…Saya”(スラムドッグ$ミリオネア 2008)の挿入歌。A.R.ラフマーンのアップテンポな曲で始まります。

そしてアクシャイ・クマールとラヴィーナ・タンドンという、当時、熱愛を噂されたふたりが共演したちょっとレトロな”Tip Tip Barsa Pani”(Mohra 1994)で雨のシーン。

カトリーナ・カイフがダイナマイトボディ全開で魅せたセクシーダンスが全インドの男たちを熱く盛り上げた”Sheila ki Jawani”(Tees Maar Khan 2010)

マイ・ネーム・イズ・シーラ♪というキャッチーな歌詞とメロディはインド料理屋さんで耳にしたことがある人も多いはず(たぶん)。

熱い男女の叶わぬロミジュリ物語を背景に、これ以上ないくらいの緻密なセットと豪華な衣装で砂漠地帯グジャラート地方の民族舞踊ガルバダンスを魅せた”Nagada Sang Dhol”(Goliyon Ki Rasleela Ram-leela 2013)

ガルバは本来なら円陣を組むところ、ステージ上ではできないので、うまく流れるようなポジショニングをしていておみごと!

グジャラート地方の民族舞踊ガルバが来たなら、同じ砂漠地帯のラジャスターンの民族舞踊ダンディヤで”Dholi Taro Dhol Baaje”(Hum Dil De Chuke Sanam 1999)

日本でも「ミモラ 心のままに」というタイトルで2002年に公開された作品です。アイシュワリヤ・ライの出世作。

出演者が客席を促すと、観客が一緒に歌い出した”Rang Barse Bhige Chunar Wali”(Silsila 1981)。春を告げるお祭りホーリーを歌った曲です。往年の名優アミターブ・バッチャン、その妻ジャヤ・バッチャン、カタックの踊り手としても名高いレーカー出演の豪華な曲。このへんになるとさすがに私にも懐メロで、リアルタイムでは知りません。

インドには国民的な映画の挿入歌がたくさんありますが、この曲もそのうちのひとつ。会場の一体感に鳥肌が立ちました。

こちらもホーリー祭をテーマにした”Balam Pichikari”(Ye Jawani Hai Diwani 2013)。「若さは向こう見ず」というタイトルで日本でも公開されました。

などなど、懐メロから最新曲まで、ボリウッド映画ファンなら嬉しくなってしまう曲の数々を、ストーリーにうまく組み入れています。

エンディングは、本作のテーマソングである”Namaste India”、盛り上げに盛り上げてフィナーレです。

大興奮まちがいなしのボリウッドミュージカル。機会があったらぜひ行ってみてください!

監督・キャストなど

監督・振付: Rajeev Goswami
音楽: Salim Sulaiman
詞: Irfan Siddiqui

ラガーブ役(Raghav): Mohit Mathur
シェイリー役(Shaily): Ana Ilmi

上演時間: 20分の休憩を挟んで約3時間


アンジャリ、ブログはじめました
人生に必要な知恵はすべてインドから学んだ -印流楽しいこと案内人、インドで食っていこうと奮闘なう-

投稿者: アンジャリ(Anjali)

アンジャリ(Anjali)

Masala Press代表・印流楽しいこと案内人。神奈川県茅ヶ崎市生まれ。東京外国語大学インドネシア語科卒。学生だった1997年にバックパッカーとして単身インドを訪れ3ヶ月を各地で過ごす。以後、インドの舞踊と映画に心酔。ガイドブックなどのライターを経て旅行会社に就職、インド専門添乗員を務めるも、2001年からはインドとロンドンを拠点に放浪生活を送る。2006年に本帰国、外資系証券会社に再就職、10年間の会社員生活を経て、現在、インド映画の印流ブームを興すべく奮闘中。