ヒンドゥー教のお正月 – 映画館へ行ってみました

突然ですが、なんでも省略するのは日本人の悪い癖だと思いませんか。とくになんですか、なぜ映画のタイトルを省略したりすのでしょう。「セカチュー」とか「ハリポタ」とか。「セカチュー」は長いのでまだわかりますけど、「ハリポタ」ってなんですか、「ー」と「ッ」を略すことにどれだけの意味があるのでしょう。無精にもほどがあります。プンスカ憤慨している主宰アンジャリです。

さて、ディーワーリー特集最後となる本日は、聖地バナーラスより、新年から1日経ったその翌日、ディーワーリーの初日から数えて4日目に当たる2015年11月12日に映画館へ繰り出すひとびとの声をお届けします。日本のお正月と同じような現象で、連休となるこの期間は大作が封切られることが多いのです。今年のディーワーリー公開作は……?

引き続きJai Collaborationsの杉本昭男氏の提供でごらんいただきましょう!

満席でチケットが買えなくてもなぜかみなさん余裕の笑み。私も意気揚々と映画館に出向いたのにHouseful(満席)をくらったことが何度かありますが、このような冷静な対応はできず、映画館の前で地団駄を踏んだものです。動画でわかるように、チケットカウンターには野郎どもが整列などせずカオスになっていることが多いので(場所によります)、か細い女性がここに入っていってチケットを買うのはけっこうたいへんです。そんなときは「エクスキューズ・ミー!!!」と怖い顔をして叫んで割り込みましょう。このような状況で外国人の女性が割り込んでも面と向かって怒る人はいません(たぶん)。

※ 動画の字幕では”Housefull”と表記していますが、英語的には正しいスペルは”Houseful”でございます。でもあの状態は「ハウス(劇場)がフル(いっぱい)!!!」と表現するにふさわしいかなと、スペルを間違えた言い訳をば少々。”Housefull”というタイトルのボリウッド映画もあるくらいなので、ここはひとつご容赦ください。

最近はスマートフォンなどでオンライン予約することも可能です。たとえばBook My Showなど、チケットぴあのようなサイトがあります。手数料はとられますがいい歳して地団駄よりはマシなので、時間がないときなどはこれで予約を確実にしてから出かけるようにしています。それでもカウンターに並んでチケットと交換したりしなくてはならないので、怖い顔をして「エクスキューズ・ミー!!!」で割り込みましょう。こういうときはニコニコしてもろくなことはありません。仏頂面または怖い顔を練習してから臨んでくださいね。

しかし! こんなに何度も出てくるのに、このお正月公開の大作”Prem Ratan Dhan Payo”(「愛という名の宝物」)、タイトルが覚えられません! 長いです!

実はインドの人も、映画のタイトルを省略して呼んだりしています。DDLJ(Dilwale Dulhania Le Jayenge, 1995年)とかKKHH(Kuch Kuch Hota Hai, 1998年)とかDTPH(Dil To Pagal Hai, 1997年)とかKKKG(Kabhi Khushi Kabhie Gham…, 2001年)とか。最後のはKが3つということで「スリーケージー」なんて呼ばれています。いまいち作品のセレクションが古いのはご容赦下さい。

そんなわけで、きっと日本人も呼びにくい映画のタイトルは日本風に短縮してしまっていいのだと思います。冒頭で憤慨していたわりにあっさり迎合していますが。なにごともほどほどが大事です。あまり憤慨せずに心穏やかに暮らしたいものです。

“Prem Ratan Dhan Payo”は、そうですね、「ぷれぱよ」でいかがでしょうか。なんとなく響きがいいのでこれにします(あまり真剣に怒らないでくださいね……)。

ちなみにお話は、もうすぐ王位を継承し絶世の美女と結婚する予定の王子様が、その頑固さゆえに未来のお妃とうまくいかず、かつ、王座を狙う家臣の陰謀などがあり……、とこれまたザ・インド映画な物語とビジュアルです。ヒロインのお妃役の女優さんソーナーム・カプール(Sonam Kapoor)はこういうお姫様役がひじょうに似合います。ウォルト・ディズニーが制作を手がけた”Khoobsurat”(2014年)ではマハラジャの末裔の息子と恋に落ちる普通の女の子という、女子が夢見るそのままの役を演じていました。”Slumdog Millionaire”(2008年)では意地悪な司会者を演じた、かつてミスター・インディアと呼ばれた二枚目俳優アニール・カプール(Anil Kapoor)の娘としても知られています。

それでは最後に「ぷれぱよ」よりミュージカルシーン、いってみましょう! この色彩の豊かさ、お金のかかり具合、お正月ムードにぴったりなゴージャスさですね。この衣装やセットやエキストラや馬や象(!)は、いったいいくらかかっていることでしょう。昨今日本で立て続けに何本か公開された、渋い、踊らないインド映画ももちろん好きですが、やっぱり私は、こういう夢のような世界でうっとりするのが一番好きです。

Prem Ratan Dhan Payo Title Song

映像提供:杉本昭男 JAI COLLABORATIONS PRIVATE LIMITED


本日の地名:バナーラス(またはヴァーラナーシー、ワーラーナーシー、ベナレス)

投稿者: アンジャリ(Anjali)

アンジャリ(Anjali)
Masala Press代表・印流楽しいこと案内人。神奈川県茅ヶ崎市生まれ。東京外国語大学インドネシア語科卒。学生だった1997年にバックパッカーとして単身インドを訪れ3ヶ月を各地で過ごす。以後、インドの舞踊と映画に心酔。ガイドブックなどのライターを経て旅行会社に就職、インド専門添乗員を務めるも、2001年からはインドとロンドンを拠点に放浪生活を送る。2006年に本帰国、外資系証券会社に再就職、10年間の会社員生活を経て、現在、インド映画の印流ブームを興すべく奮闘中。